彼女ができて、人生がシンプルになった。

  先日やっとのことで彼女が出来てからというもの、精神的な負担が激減した。

 これまではとにかく女の子とのアポイントを中心にして生活しなければならなかった。とにかく家庭を持ちたい私にとっては、彼女がいなければライフステージが先に進まないからだ。

 毎週の空き時間を確認し、何人も同時並行でデートを取り付け、女の子それぞれの性格や基本的な情報、デートコースやお店の予約を確認する。予定の入らない日は街コンや合コンの予約を入れ、出会いを新規開拓しなければいけなかった。

 旧知の友人に男だけの飲み会に誘われても、女の子がその日が良いといえば空けておくほかない。デートに応じて貰えれば、何かが起こるかもしれないからだ。とにかく彼女を作る。その目的から見て意味のない付き合いをすることなんて私にはできなかった。そうして必死に女の子のために捻出した時間でさえ、女の子からは容易くドタキャンされるのだった。

 隙間時間は見込みのある女の子とのメールで埋められ、自分の為に割く時間は殆どない。痩せるとか、スキンケアとか、そういう合目的な自分磨きをする時間は作っていたけれど、楽しいものではない。合目的でないことをする時間はとてもなかった。

 それが、である。

彼女ができた今となっては、彼女1人を相手にすれば済む。

それこそ二桁人数と同時並行していたことを思えば、彼女の為に限界まで可処分時間を遣ったとしても必ず余剰が出て来る。

出会ったばかりの相手には食事代を奢らなければいけないし、一度食事に行けば少なくとも1日2時間程度は遣うだろう。

 時間的にも経済的にも相手が一人になったことで全く比較にならないくらいの気持ち的な余裕が生まれた。

 これまでは、これから付き合う相手の女の子がどんな家庭環境で、どのくらいの所得で、どういう性格なのか判らなかったから、リアルな将来を思い描くことができなかった(勿論、こうしたいああしたいみたいな無双だけはあったけれど。)。

 それが今は、実在する女の子がこの先を考えてくれると言ってくれている。しかも相手は私にとって凡そ現実的に考えられる限界クラスの女の子だと思う。

 それだけで将来が見通せるようになった気持ちになって安心する。

 あの辺に住むのかな、とか夫婦関係はきっとこうだろうな、とか乗る車はあの車種だろうな、とか子どもが生まれたらこう育てたいな、とかそういうことを考えるだけで楽しい。

  余計な可能性に目を配る必要がない。これからの人生について必要な思考や行動が整理された。婚活と違って人生設計は相手に帰寄する度合いが低いから、行動次第で人生に進捗している感覚がある。余分なことをする時間も増え、QOLが格段に上昇した。

 人生が全て好転している。あとは彼女と別れて全てが無に帰さないよう、慎重に行動するのみだ。

 仕事の為の勉強に費やし、睡眠時間を多目にし、美味しいものを食べに行き、こうしてブログを書く時間がある。それが本当に有難くて仕方ない。